IP電話システムの信頼性を評価する。(平成20年春ソフトウェア開発技術者午後1問4)

解答です。

設問1
[a]:ア [b]:イ
[c]:T/F [d]:R/F [e]:T/(T+F)
注)ブログシステムの関係上、分数はA/Bの形で表記しています。

設問2
(1)オ (2)カ (3)サ

設問3
[f]:イ [g]:ア [h]:カ [I]:L3-SW4

解説してみた。

設問1
 信頼性指標の[a]の説明は「故障設備が修理されてから、次に故障するまでの動作時間の平均値~」となっているので、[a]にはア(MTBF)が入ります。そして、[b]に入る式は、総稼働時間Tを総故障件数Fで割った「T/F」になります。

 [c]の説明は、「故障した設備を運用可能状態へ修理するためひ必要な時間の平均値~」となっているので、[c]にはイ(MTTR)が入ります。そして、[d]に入る式は、総修理時間Rを総故障件数Rで割った「R/F」が入ります。

 稼働率は、分子がMTBF、分母がMTBF+MTTRの式で表されます。これを総稼働時間T、総故障件数F、総修理時間Rで表すと、分子がT、分母がT+Fである「T/(T+F)」となります。

設問2
(1)SIPサーバ1台あたりの稼働率がS。データセンタのSIPサーバ2台は並列に配置されているため、データセンタのSIPサーバ部の稼働率は、1-(1-S)になります。解答群に無いため変形して整理すると、解答群のオである(2-S)Sになります。

(2)L3-SW1台あたりの稼働率がX。データセンタのL3-SW2台は並列に配置されているため、データセンタのL3-SW部の稼働率は、1-(1-X)になります。解答群に無いため変形して整理すると、解答群のカである(2-X)Xになります。

(3)本社-支社間で内線通話を行うには、L2-SW部1、L2-SW部2、L3-SW3、L3-SW4、WAN、L3-SW部、SIPサーバ部が全て稼働している必要があります。

 ここで、L2-SWについては、個別機器の稼働率でなく、L2-SW部としての稼働率がLとなってます。

本社-支社間で内線通話が行える確率は、

L*L*X*X*W*(2-S)S*(2-X)X=(2-S)(2-X)SWL2X3

となります。

 設問で問われている「本社と支社の間で内線通話が行えない確率」は、1から「本社-支社間で内線通話が行える確率」を引いたものになるので、正解はサの1-(2-S)(2-X)SWL2X3になります。


設問3
 GWはSIPサーバの機能もあるため、IP電話機にSIP信号の送信先としてGWのIPアドレスを登録しておけば、WANが使用不能になってデータセンタにアクセスできない場合に、GWをSIPサーバ代わりに使用可能になります。よって、[f]には、イ(IP電話機)、[g]にはア(GW)が入ります。

 SIPサーバを本社内に移設してL3-SWに接続することで、本社内のIP電話機同士で内線通話が可能になります。よって、[h]には、カ(SIPサーバ1又はSIPサーバ2)、[i]には本社内のL3-SWである、オ(L3-SW4)が入ります。

IPAの公式解答はこちら。
平成20年春ソフトウェア開発技術者午後1 IPA公式解答(PDFファイル)

 今回は、信頼性指標の空欄に式を記入させる以外は、全て解答群の中から選択して記号で解答の形式でした。IP電話システムの稼働率の式を選択するにあたって、式の変形を要するところが多少面倒でしたが、全体的には解答しやすかったです。

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