ドメイン名をIPアドレスに変換するDNSサーバのシステム。(平成18秋ソフトウェア開発技術者午後1問1)

解答です。

設問1
[a]:チ [b]:ソ [c]:カ [d]:コ [e]:イ [f]:タ [g]:サ

設問2
ア,エ,カ,キ

設問3
[h]:イ [I]:カ

解説してみた。

設問1
 DNSサーバは分散型データベースなので、[a]には「分散型」(チ)が入ります。

 jpドメイン、co.jpドメインなどのトップレベルドメインが管理されているDNSサーバについての情報は、1つ上の階層のDNSサーバであるルートDNSサーバが持っています。また、ホストの情報は、そのホストが所属するドメインのDNSサーバが持っています。よって、[d]には「上位階層」(コ)が入ります。

 URLの中から、ホスト名とドメイン名の部分を取り出したものをFQDNといいます。よって、[e]には、「FQDN」(イ)が入ります。

 なお、当ブログ「羽の舞う風景」については、ホスト名がwww、ドメイン名がmoefeather.netなので、FQDNは,

www.moefeather.net

になります。

 ルートDNSサーバは、可用性と負荷分散を目的として複数台(13台)配置されています。また、それぞれのDNSサーバ(コンテンツサーバ)は可用性確保のために、プライマリサーバとセカンダリサーバから構成されています。従って、[b]には「負荷分散」(ソ)、[c]には「可用性」(カ)が入り、[f]と[g]には、「プライマリサーバ」(タ)と「セカンダリサーバ」(サ)が入ります。[f]と[g]は順不同OK。

設問2
 DNSサーバには、ゾーン情報(ドメイン名とIPアドレスについての情報)が保持されているコンテンツサーバ(権威サーバ)と、クライアントからの名前解決のリクエストを受けて、コンテンツサーバに問合せを行うキャッシュサーバがあります。

 設問1で問われたプライマリサーバ、セカンダリサーバがあるのは、コンテンツサーバ(権威サーバ)の方です。

 設問2で、ホストの名前解決のためにクライアントPCに設定してあるDNSサーバXは、キャッシュサーバに該当します。

 クライアントPCにドメイン名に対応したIPアドレスを返すのはキャッシュサーバの役割で、コンテンツサーバは、クライアントPCに直接IPアドレスを返さないので、アは正しく、イは誤り。

 ルートDNSサーバに入っているのは、1つ下位のサーバであるトップレベルドメインを管理するサーバの情報。問い合わせを行ったキャッシュサーバには、トップレベルドメインを管理するサーバの情報を返す。ウとオが誤りで、エは正解。

 キャッシュサーバは、コンテンツサーバに問い合わせて得た情報をキャッシュとして保持する。そして、キャッシュに情報がある場合は、迅速にクライアントにIPアドレスを返すので、カは正解。

 ホストの情報を管理する最下位のコンテンツサーバにドメイン名に対応するIPアドレスの情報が入っており、このコンテンツサーバがキャッシュサーバにIPアドレスを返す。よって、キは正解。

正解の選択肢は、ア、エ、カ、キとなります。

 DNSサーバは、役割別にコンテンツサーバとキャッシュサーバに分かれていますが、1台の機器でコンテンツサーバとキャッシュサーバを兼ねることは可能です。

 それから、キャッシュサーバを公開して不特定多数からのアクセスを可能にしていると、不正なキャッシュ情報を入られれるDNSキャッシュポイズニング攻撃、キャッシュサーバを踏み台にしたDDos攻撃といったサイバー攻撃のリスクに晒されるので、キャッシュサーバは不特定多数に公開せず、アクセスを許可する機器を限定しておくことが望ましいです。

設問3
 目的のWebサーバのURLに含まれるFQDNを用いてDNSを引き、対応するWebサーバのIPアドレスを得ることから、[h]に入るのは、「URL」(イ)になります。

 メールの場合は、メールアドレスの信先ドメインに含まれるFQDN用いてDNSを引き、送信先STMPサーバのIPアドレスを得るので、[i]に入るのは「メールアドレス」(カ)になります。

IPAの公式解答はこちら。
平成18年秋ソフトウェア開発技術者午後1 IPA公式解答(PDFファイル)

 今回のDNSについての問題は、全て選択して記号で解答する形式になっており、短文で記述する問いが無かったこともあって解答しやすかったです。

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