NATを用いたグローバルとプライベートのIPアドレス変換。(平成17春ソフトウェア開発技術者午後1問1)

解答です。

設問1
[a]:ウ [b]:ア [c]:ク [d]:キ [e]:オ

設問2
[f]:233.x.255.3
[g]:192.168.10.128

設問3
[h]:233.x.255.5
[i]:192.168.0.6

解説してみた。

設問1
 IPアドレスのネットワーク部とホスト部の区切りは、従来は8ビット単位の固定式(ネットワーク部が8ビットのクラスA、16ビットのクラスB、24ビットのクラスC)でした。最近はCIDRを導入することで、クラスの概念を無くし、1ビット単位で柔軟にネットワーク部とホスト部を区切れるようになってます。よって、[a]にはウ(8ビット)、[b]にはア(1ビット)が入ります。

 ISP(インターネットサービスプロバイダ―)などから配布されたIPアドレスよりも使用するホスト(端末類)が多い場合は、ルータの内側で使用する機器にプライバートIPアドレスを付与し、インターネットに接続しているルータでグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの変換を行います。よって、[c]にはク(プライベート)、[d]にはキ(グローバル)が入ります。

 本文中に「次世代プロトコル」とあるので、[e]に入る選択肢はプロトコル関係に絞られます。解答群を見ると、プロトコル関係の選択肢は「IPv4」と「IPv6」があります。IPv4は現行のプロトコルなので、次世代プロトコルはIPv6になります。よって、[e]にはオ(IPv6)が入ります。

設問2
 233.x.255.1は、ISP 側インタフェースに、192.168.0.1は、公開ネットワーク側インタフェースにそれぞれ割り当てられています。

 公開ネットワークのメールサーバーに割り当て可能な変換先アドレスで、最も若いアドレスは、233.x.255.3になります。よって、[f]には「192.168.10.128」が入ります。

 各クライアント端末のアドレス範囲は、192.168.10.129~192.168.10.178になっています。2ビットで表現したアドレスの下位8桁は、1000 0001~1011 0010になります。変換元アドレスに/26があるため、下位8桁のうちの上位2桁(10)がネットワークアドレスに含まれるビット列、それ以外がホストアドレスに含まれるビット列になります。

 これにより、クライアント端末の変換元ネットワークアドレスは、192.168.10.128になります。よって、[g]には「192.168.10.128」が入ります。

設問3
 公開ネットワークにプロキシサーバを追加します。233.x.255.1~233.x.255.4、233.x.255.6のIPアドレスはすでに割り当てられているため、プロキシサーバに割り当てられる最も若い変換先IPアドレスは、233.x.255.5になります。よって、[h]には「233.x.255.5」が入ります。

 クライアント端末はプロキシサーバを介してインターネットにアクセス可能になったことで、クライアント端末に割り当てたプライベートIPアドレスをNATを用いてグローバルIPアドレスに変換する必要がなくなります。これにより、グローバルIPアドレスの代わりに、公開ネットワークのプライベートIPアドレスを変換先アドレスにします。公開ネットワークの割り当て可能なアドレスのうち、最も若いアドレスは192.168.0.6になります。よって、[i]には「192.168.0.6」が入ります。

IPAの公式解答はこちら。
平成17年春ソフトウェア開発技術者午後1 IPA公式解答(PDFファイル)

 今回は、解答群の中から選択肢を選ぶ、空欄にIPアドレスを記入する形式でした。プロキシサーバを導入する場合のクライアント端末のアドレス変換がなかなか難しかった。

 最近はポート番号も使用するNAPTを用いて、グローバルIPとプライベートIPアドレスの変換を行うようになってます。

 NATやNAPTを使ってグローバルIPとプライベートIPアドレスの変換を行うことは、IPアドレスの枯渇対策に加え、ルータ内部の機器をインターネット側から見えなくして直接のアクセスを防げるようにすることで、セキュリティの強化にも寄与します。

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